路線価とは?相続税の土地評価をわかりやすく解説

路線価とは?相続税の土地評価をわかりやすく解説

相続税を計算するときは、相続した土地をいくらと評価するかを決める必要があります。評価方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つで、どちらを使うかは土地のある地域で決まります。取り違えやすいのは、倍率方式で倍率を掛ける相手は路線価ではなく固定資産税評価額であることです。本記事では、国税庁タックスアンサーの記載にもとづいて、路線価の意味と2つの評価方法を整理します。

路線価とは

路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことです。路線価図には千円単位で表示されています(出典:国税庁 No.4602 土地家屋の評価・令和8年4月1日現在法令等)。

路線価図と評価倍率表は、国税庁ホームページの財産評価基準書 路線価図・評価倍率表で誰でも閲覧できます。全国の国税局や税務署でも閲覧できます(出典:国税庁 No.4604 路線価方式による宅地の評価 Q&A)。

土地の評価方法は2つある

土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。評価方法は次の2つです(出典:国税庁 No.4602)。

| 評価方法 | 対象となる土地 | 計算のもとになる金額 | 出典 | |------|------|------|------| | 路線価方式 | 路線価が定められている地域の土地 | 路線価 | 国税庁 No.4604 | | 倍率方式 | 路線価が定められていない地域の土地 | 固定資産税評価額 | 国税庁 No.4606 |

自分で方式を選ぶのではなく、その土地に路線価が付いているかどうかで決まります。

路線価方式の計算

路線価方式では、路線価をその土地の形状などに応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正し、その土地の面積を掛けて評価額を計算します(出典:国税庁 No.4602)。

道路1本だけに面した宅地の場合、計算の形は次のとおりです。

  • 路線価 × 奥行価格補正率 × 面積 = 評価額

角地のように2本以上の道路に面している宅地は、正面の路線価をもとにした金額に、側方や裏面の路線価をもとにした加算額を足してから面積を掛けます。奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率は、路線価図に示された地区に応じて定められており、調整率表が国税庁ホームページに掲載されています(出典:国税庁 No.4604・根拠は財産評価基本通達13、14、15から18)。

補正率は土地の奥行きや形で変わるため、路線価に面積を掛けただけの金額は目安にとどまります。申告に使う評価額は、国税庁の「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」に沿って計算します。

倍率方式の計算

倍率方式では、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて評価額を計算します(出典:国税庁 No.4606 倍率方式による土地の評価・令和8年4月1日現在法令等・根拠は財産評価基本通達21、21-2)。

  • 固定資産税評価額 × 倍率 = 評価額

固定資産税評価額は、都税事務所や市(区)役所、町村役場で確認できます。倍率は地域ごとに評価倍率表で定められているので、該当する地域の倍率を評価倍率表で確認します。全国一律の倍率があるわけではありません(出典:国税庁 No.4606)。

何年分の路線価図を使うか

相続税の申告では、亡くなった日の属する年分の路線価図や評価倍率表を使います。その年分がまだ公開されていない場合は、公開されてから評価します(出典:国税庁 No.4604 Q&A)。

路線価図と評価倍率表は毎年公開されます。申告する年の最新版ではなく、亡くなった年のものを使う点に注意してください。

評価額が変わる主なケース

次の場合は、上の計算で出した金額からさらに評価額が調整されます(出典:国税庁 No.4602)。

  • 貸している土地や家屋:権利関係に応じて評価額が調整されます
  • 事業用や居住用の宅地:限度面積までの部分について、評価額の一定割合を減額する相続税の特例(小規模宅地等の特例)があります
  • 分譲マンション:令和6年1月1日以後に相続などで取得した居住用の区分所有財産は、区分所有補正率を掛けて評価する場合があります

なお、家屋は固定資産税評価額に1.0を掛けた金額、つまり固定資産税評価額と同じ額で評価します(出典:国税庁 No.4602)。

土地と家屋の評価額が出たら、ほかの財産と合わせた遺産全体が非課税枠を超えるかどうかを、相続税の基礎控除と計算方法の解説で確かめてください。

まとめ

  • 路線価は、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額
  • 路線価のある地域は路線価方式、ない地域は倍率方式で評価する
  • 路線価方式は、路線価を補正率で補正して面積を掛ける
  • 倍率方式は、固定資産税評価額に評価倍率表の倍率を掛ける
  • 使うのは亡くなった年分の路線価図・評価倍率表

本記事は制度の概要を整理したものです。土地の形や利用状況によって補正や特例の適用が変わり、税額に直結するため、申告の前に税務署か税理士へ確認してください。相続税の申告全体の進め方については、相続税の無料相談はこちらもあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1: 路線価はどこで確認できますか?

A1: 国税庁ホームページの財産評価基準書 路線価図・評価倍率表で閲覧できます。全国の国税局や税務署でも閲覧できます(出典:国税庁 No.4604 Q&A)。

Q2: 路線価が付いていない土地はどう評価しますか?

A2: 倍率方式で評価します。その土地の固定資産税評価額に、評価倍率表で定められた倍率を掛けて計算します(出典:国税庁 No.4606)。

Q3: 路線価は毎年変わりますか?

A3: 路線価図と評価倍率表は毎年公開されます。相続税の申告では、亡くなった日の属する年分のものを使います(出典:国税庁 No.4604 Q&A)。

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