相続税の障害者控除・未成年者控除の計算方法

相続税の障害者控除・未成年者控除の計算方法

相続税の障害者控除と未成年者控除は、どちらも**計算した相続税の額から直接差し引く「税額控除」**です。財産の評価額から引くものではなく、控除額も一律ではありません。相続人の年齢に応じて、1年ごとに積み上げて計算します。本記事では、国税庁タックスアンサーの記載にもとづいて、控除額の計算式と受けられる人の条件を整理します。

障害者控除とは

相続人が85歳未満の障害者のときに、その人の相続税の額から一定の金額を差し引く制度です(出典:国税庁 No.4167 障害者の税額控除・根拠法令:相続税法19条の4)。

障害者控除が受けられる人

次のすべてに当てはまる人が対象です(出典:国税庁 No.4167)。

  • 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除く)
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人
  • 法定相続人であること(相続の放棄があった場合は、放棄がなかったものとした場合の相続人)

どの範囲の人が「障害者」「特別障害者」に当たるかは、国税庁の同ページからリンクされている質疑応答で確認できます。

障害者控除の額

| 区分 | 控除額の計算式 | |------|----------------| | 一般障害者 | 満85歳になるまでの年数 × 10万円(出典:国税庁 No.4167) | | 特別障害者 | 満85歳になるまでの年数 × 20万円(出典:国税庁 No.4167) |

年数に1年未満の端数があるときは、切り上げて1年として計算します。この計算式に当てはめると、相続開始時に40歳の一般障害者の場合、85歳までの年数は45年なので、控除額は 10万円 × 45年 = 450万円です(計算式の出典:国税庁 No.4167)。

未成年者控除とは

相続人が未成年者のときに、その人の相続税の額から一定の金額を差し引く制度です(出典:国税庁 No.4164 未成年者の税額控除・根拠法令:相続税法19条の3)。

未成年者控除が受けられる人

次のすべてに当てはまる人が対象です(出典:国税庁 No.4164)。

  • 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人(一時居住者で、被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除く)。国内に住所がない人でも、日本国籍の有無や過去の住所などの条件を満たせば対象になる場合があります
  • 相続や遺贈で財産を取得したときに18歳未満である人
  • 法定相続人であること(相続の放棄があった場合は、放棄がなかったものとした場合の相続人)

未成年者控除の額

控除額は、その未成年者が満18歳になるまでの年数 × 10万円です。年数に1年未満の端数があるときは、切り上げて1年として計算します(出典:国税庁 No.4164)。

国税庁の例では、未成年者の年齢が15歳9か月の場合、9か月を切り捨てて15歳で計算し、18歳までの年数は3年、控除額は 10万円 × 3年 = 30万円になります(出典:国税庁 No.4164)。

2つの控除に共通するルール

  • 引き切れない分は扶養義務者から差し引ける: 控除額が本人の相続税額より大きく、全額を引き切れない場合は、引き切れない部分の金額をその人の扶養義務者の相続税額から差し引きます。扶養義務者とは、配偶者、直系血族および兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます
  • 過去に同じ控除を受けていると制限される: 今回より前の相続でも同じ控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります

いずれも国税庁 No.4167 と No.4164 に記載されている扱いです。

よくある誤解

  • 「控除額は一律」ではない: どちらの控除も、年齢に応じた年数で計算します。年齢が高いほど控除額は小さくなります
  • 「財産の額から引く」ではない: 課税価格から引く基礎控除とは違い、算出した相続税額から引きます
  • 未成年者の年齢は18歳が基準: 国税庁の現行の記載は「18歳未満」「満18歳になるまでの年数」です

まとめ

障害者控除と未成年者控除は、対象となる相続人の年齢から控除額を計算し、相続税額から直接差し引く制度です。扶養義務者への振り替えや過去の控除による制限など、個別の事情で結果が変わる部分があるため、申告の前に国税庁の該当ページを確認し、不安がある場合は税務署か税理士に相談してください。障害者控除・未成年者控除を含む相続税全般については、相続税の無料相談はこちらでご確認いただけます。

よくある質問(FAQ)

Q1: 障害者控除と未成年者控除の根拠はどこで確認できますか?

A1: 国税庁タックスアンサーの No.4167 障害者の税額控除 と No.4164 未成年者の税額控除 で確認できます。根拠法令は相続税法19条の4と19条の3です。

Q2: 控除額が相続税額より大きい場合はどうなりますか?

A2: 引き切れない部分の金額を、その人の扶養義務者の相続税額から差し引きます(出典:国税庁 No.4167・No.4164)。

Q3: 相続を放棄した人は控除の対象になりますか?

A3: 条件は「法定相続人であること」で、相続の放棄があった場合は放棄がなかったものとした場合の相続人で判定します(出典:国税庁 No.4164)。具体的な適用は税務署か税理士に確認してください。

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