自治体の終活支援制度|全国の支援サービスと活用方法
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自治体の終活支援は、国の統一制度ではなく、市区町村ごとに内容がまったく違います。相談窓口だけの自治体、情報の登録制度を持つ自治体、葬儀の生前契約まで支援する自治体があり、何も実施していない自治体もあります。
ネット上の「全国まとめ」に並ぶ制度名は、改称・廃止・他自治体との取り違えで実態と合わないことが少なくありません。この記事では、各自治体・社会福祉協議会の公式サイトで実在を確認できた取り組みだけを出典付きで紹介します。対象者や費用の条件は変わることがあるため、利用を考えるときは必ず公式サイトか窓口で最新の内容を確認してください。
自治体が終活支援に取り組む背景
単身高齢者の増加により、亡くなった後の葬儀・納骨・家財の片付けを担う人がいないケースが増えています。引き取り手のない遺骨、相続人が管理しない空き家、孤独死後の対応などは、最終的に自治体の負担になります。本人が元気なうちに希望を聞き、備えを支援することは、住民の安心と行政課題の予防を兼ねた取り組みとして広がっています。
支援の主な種類
| 種類 | 内容 | 主な担当 | |------|------|----------| | エンディングノートの配布 | 自治体オリジナルのノートを窓口で配布、またはPDFで公開 | 高齢者福祉担当課・地域包括支援センター | | 講座・セミナー | エンディングノートの書き方、相続・遺言の基礎など | 高齢者福祉担当課・社会福祉協議会 | | 終活相談窓口 | 終活全般の相談、専門家や事業者の情報提供 | 社会福祉協議会・地域包括支援センター | | 情報の登録制度 | 緊急連絡先や遺言書の保管場所などを登録し、万一のときに照会に応じる | 高齢者福祉担当課 | | 葬儀・納骨の生前契約支援 | 身寄りのない方を対象に、葬儀社との生前契約や見守りを支援 | 地域福祉担当課・社会福祉協議会 |
お住まいの自治体が配布していない場合や、配布を待たずに書き始めたい場合は、終活50項目の無料チェックリスト(PDF)を利用する方法もあります。エンディングノート10項目のほか、相続手続き・遺言書・生前準備を含む計50項目を1枚にまとめています。
公式に確認できた自治体の取り組み
神奈川県横須賀市「エンディングプラン・サポート事業」
ひとり暮らしで頼れる身寄りがなく、収入・預貯金・不動産が一定以下の高齢者等を対象とした事業です。
- 終活課題についての相談(葬儀・納骨の低額な生前契約の情報提供)
- 葬儀・納骨プランやリビングウィル等の支援プランの策定と保管
- 安否確認の訪問や関係機関への連絡など、課題解決に向けた連携・支援
対象となる収入・資産の基準は公式サイトに記載されています。窓口は市役所の地域福祉課です。
神奈川県大和市 終活登録制度「ツナグ」
市内在住の65歳以上の一人暮らし、または65歳以上の夫婦など二人暮らしの方が対象です。次の情報を市に登録でき、本人が意思表示できなくなったときや亡くなったときに、医療機関・消防・警察や、本人が指定した親族・友人からの照会に応じて伝えてもらえます。
- 緊急連絡先
- 葬儀等の生前契約情報
- お墓の場所
- 遺言書の保管場所
- エンディングノートの保管場所
相談は保健福祉センターの窓口で受け付けています(事前予約制)。
東京都豊島区「終活あんしんセンター」
豊島区民社会福祉協議会内に設置された終活の相談窓口です。場所は東池袋分庁舎4階です。
※出典:豊島区終活あんしんセンター(豊島区公式ホームページ)
東京都世田谷区「世田谷区終活支援センター」
2026年7月1日に世田谷区社会福祉協議会が開設した終活の総合相談窓口です。職員による一般相談、弁護士による専門相談、終活講座、エンディングノートの無料配布、講師派遣を行っています。対象は区民とその家族です。
※出典:世田谷区終活支援センター開設のご案内(世田谷区社会福祉協議会)
千葉県千葉市「エンディングサポート(終活支援)事業」
民間事業者と協定を結び、そのノウハウを活かして終活支援を行う事業です。あんしんケアセンター(地域包括支援センター)での総合相談、人生会議に関する講演会、終活に関する検討会の実施、高齢者等終身サポート事業者を選ぶ際のチェックリストの提供などを行っています。
愛知県名古屋市「名古屋市あんしんエンディングサポート事業」
名古屋市社会福祉協議会が実施する事業で、一人暮らしで子や孫がおらず、葬儀・納骨や家財処分を行える親族がいない65歳以上の方などが対象です。契約時に預託金を預け、生前の見守り・安否確認から、葬儀・納骨、家財処分・住居の明渡し、死亡に伴う届出までを任せられます。所得・資産などの要件と預託金の額は公式サイトで確認してください。
※出典:名古屋市あんしんエンディングサポート事業(名古屋市)
福岡県北九州市「終活あんしんセンター」
北九州市社会福祉協議会が運営し、葬儀や供養、相続や遺言、死後事務委任契約などの終活相談、終活事業者の紹介、エンディングノートの配布や出前講演を行っています。相談は事前の電話予約が必要です。
※出典:終活あんしんセンター(北九州市)
エンディングノートを配布している例(横浜市・狛江市)
- 横浜市:18区それぞれが区版のエンディングノートを作成しています。区の講座に参加するか、区役所の高齢・障害支援課や地域ケアプラザ等の窓口で説明を受けると無料でもらえます
- 東京都狛江市:市民団体と協働して作成した「狛江市エンディングノート」を、市内在住の概ね65歳以上の方とその支援者に配布しています。市のサイトからPDFでダウンロードすることもできます
※出典:横浜市にはエンディングノートはありますか?(横浜市)/狛江市エンディングノート(狛江市)
自分の自治体の制度を調べる手順
上に挙げたのはごく一部です。お住まいの市区町村の制度は、次の順で調べると見つけやすくなります。
- 市区町村の公式サイトで「終活」「エンディングノート」「おひとりさま」と検索する
- 見つからなければ、市区町村の社会福祉協議会のサイトで同じ語を検索する(相談窓口を社協に置いている自治体が多いため)
- それでも分からなければ、地域包括支援センターに電話で聞く。65歳以上の方とその家族の総合相談窓口で、終活の相談先も案内してもらえます
- 広報誌(市政だより等)の講座案内も確認する。終活講座は定員制・事前申込みのことが多いため、早めに申し込む
窓口に行くときは、相談したい内容を事前にメモしておくと、担当部署や専門家への案内がスムーズです。
自治体の支援でできること・できないこと
自治体の終活支援は、相談・情報提供・登録が中心です。遺言書の作成、相続税の申告、不動産の売却、遺品の片付けといった実作業は、多くの場合、弁護士・税理士・司法書士や民間事業者に依頼することになります。
自治体の窓口で相談先の目星をつけ、実作業は専門家に依頼する、という使い分けが現実的です。
まとめ
- 自治体の終活支援は市区町村ごとに内容が違い、実施していない自治体もある
- 支援の中心は、エンディングノートの配布、相談窓口、情報の登録制度、身寄りのない方向けの生前契約支援
- 制度名や条件は変わるため、利用前に必ず公式サイトか窓口で確認する
- 調べ方に迷ったら、地域包括支援センターに問い合わせる
最終更新日:2026年9月
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